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2023年11月10日(金)

  • コラム

24時間換気システム義務化解説:その背景、種類、そして運用の全て

新築やリフォームを考えている家庭の主婦や主人、健康と快適な生活環境を求める方は、24時間換気システムについてご存じでしょうか。
24時間換気システムの義務化について、その背後にある目的やメリットを理解し、自宅でどのように活用すべきかを知りたいと思いませんか。
 
この記事では、24時間換気システムの義務化の背景から、その種類、そして運用上の注意点まで、一通りの情報を分かりやすく解説します。
 

◻︎ 24時間換気システム義務化の背景とその重要性

 

*何故24時間換気システムが話題なのか

 
24時間換気システムは、給気と排気を機械的に行い、空気の循環を保つ仕組みです。
このシステムが導入されることで、窓を開けずとも室内の空気が新鮮に保たれ、健康維持につながります。
一見単純な仕組みに思えますが、その背後には深刻な健康問題が潜んでいます。
 

*義務化の背景:シックハウス症候群

 
2003年7月の改正建築基準法により、新築されるすべての建物に24時間換気システムの設置が義務化されました。
その主な理由は「シックハウス症候群」、つまり、建材や家具から発生する有害物質による健康被害です。
頭痛や鼻水、喉の痛みなど、日常生活に影響を及ぼす症状が多く報告されています。
 

*近年の住宅事情と健康リスク

 
近年の住宅は、冷暖房の効率を考慮して気密性が高く作られています。
その結果、空気の循環が悪くなり、有害物質が室内に滞留する可能性が高まっています。
さらに、高気密な住宅は湿度も高くなり、カビやダニの繁殖にもつながるため、健康に多大な影響を及ぼします。
 

*法的措置とその目的

 
このような健康リスクを軽減するため、改正建築基準法では建材や換気設備に規制が導入されました。
その一環として、24時間換気システムの設置が義務付けられ、住居内の空気を常に清潔に保つことが求められています。
 

◻︎ 24時間換気システムの種類とそれぞれの特徴

 

1.第1種換気:効率とコントロールの極致

 
第1種換気は、給気口と排気口に換気扇を設置し、機械制御で空気の流れを最適化します。
この方式では「熱交換システム」が利用可能で、温度差によるエネルギーロスを防げます。
特に季節の変わり目には、このシステムがその真価を発揮します。
 
しかし、設置費用や電気代が高く、メンテナンスも手間がかかるという側面もあります。
 

2.第2種換気:正圧状態での衛生管理

 
第2種換気は、給気口にのみ換気扇を設置し、排気は自然換気に頼ります。
この方式では、室内が「正圧状態」に保たれ、外部からの汚染物質の侵入が防げます。
衛生面で優れているため、食品工場やクリーンルームでよく採用されています。
 
ただし、湿気がこもりやすく、結露も発生しやすいため、一般住宅での採用は少ないです。
 

3.第3種換気:負圧状態とコストパフォーマンス

 
第3種換気は、排気口に換気扇を設置し、給気は自然換気に頼ります。
この方式では、室内が「負圧状態」になり、湿気がこもりにくい環境が作られます。
導入コストも抑えられるため、一般住宅でよく採用されています。
 
しかし、外部からの汚染物質が侵入しやすく、外気温に影響されやすいというデメリットもあります。
 
読者の皆様は、ルフロ400という第3種換気システムをご存じでしょうか。
メンテナンスが比較的簡単で、省エネ性の高いことが特徴の換気システムであるため、メンテナンスに手間をかけたくない方や省エネを重視している方におすすめです。
 
以上のように、各換気システムにはそれぞれ特長と課題があります。
自宅の状況やニーズに合わせて、最適な換気システムを選ぶことが重要です。
健康と快適な生活環境を目指すなら、これらの要素を総合的に評価しましょう。
 

◻︎24時間換気システムの運用と注意点

 

1.運用を止めるリスク:健康被害の可能性

 
24時間換気システムを勝手に止める行為は、健康に対するリスクが高まる可能性があります。
シックハウス症候群や湿気によるカビ発生など、さまざまな問題が引き起こされることが考えられます。
そのため、運用を止める前には、十分な知識と理解が必要です。
 

2.電気代の心配: 数百円の現実

 
電気代が気になる方も多いでしょうが、実際には月にかかる電気代は数百円程度です。
この費用を考慮した上で、健康と快適な生活環境の維持には十分価値があると言えます。
 

3.音の問題:設定とメンテナンスが鍵

 
換気システムの音が気になる場合、設定の見直しやフィルターの掃除が有効です。
特に風量設定が適切でない場合や、フィルターが汚れている場合は、音が大きくなる可能性があります。
適切なメンテナンスで、快適な運用が可能です。
24時間換気システムの運用には、総合的な知識と認識が必要です。
電気代や音、そして健康への影響などを理解して、より賢い運用を目指しましょう。
 

◻︎まとめ

 
24時間換気システムは、健康と快適な生活環境に対する影響が大きい設備です。
その義務化の背景、種類、そして運用上の注意点について、本記事で解説しました。
 
特に、各種換気システムの特長と課題を理解し、自宅の状況に合わせて選ぶことが重要です。
運用においても、電気代や音の問題、健康への影響などを総合的に考慮することが求められます。
 
24時間換気システムに関する総合的な知識と認識の向上のために、この記事を参考にしてください。

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