自然の木材を使った住宅に憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。
無垢材の住宅は、木の匂いや風合いに癒されるだけではなく、暖かいという特徴もあります。
今回は、無垢材の住宅の特徴や、なぜ暖かいと言われているのかについてご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。

□無垢材と他の素材の温度を比較！

初めに、無垢材は他の素材に比べて本当に暖かいのかどうかを見てみましょう。
ここでは、無垢材と鉄、発泡スチロールの3つの素材を比較して、温度はそれぞれどう異なるのかを実際に行った実験を通してご紹介します。

まず、同じ室内にボールの形をした無垢材、鉄、そして発泡スチロールの3つの固まりを準備します。
一度それぞれを順番に触れてみると、ほとんどの人が鉄に対して1番ひんやりと感じるという結果が出ました。
無垢材や発泡スチロールに関しては、ひんやりというよりも、どちらかと言うと暖かく感じる方が多くいました。

しかし、それぞれの表面温度を測ってみると、3つの素材全てが室内と同じ温度であるという結果が出たのです。
手で触れてみるとそれぞれ違う温度のように感じるものの、実際は表面温度の変わりはありません。
つまり、無垢材から感じる暖かさは、物体の温度自体が高いからではなく、触れたときの感覚で暖かさを感じているということになります。

□なぜ無垢材の住宅は暖かく感じるの？

前述では、無垢材は手で触れると暖かく感じるものの、他の素材のものと表面温度は同じであるとご紹介しました。
では、一体なぜ無垢材は暖かく感じるのでしょうか。

その理由は、熱伝導率にあります。
「熱伝導」とは何かと言うと、物質自体の移動は無しに、熱が高温から低温に運ばれていく現象のことを意味します。
例を挙げると、36度の体温を持った肌で21度の物に触れると、肌の温度が21度の物体に奪われ、徐々に同じ温度になっていきます。
このように、熱が移動することを熱伝導と言うのです。

さらに、この熱伝導を数値化したものを「熱伝導率」と呼びます。
熱伝導率が高ければ高いほど温度は伝わりやすく、物体が肌に触れると、肌の温度は早く物体に奪われていきます。

また、熱伝導率が素材によって異なり、金属類は熱伝導率が高く、木材は低いとされています。
そのため、木材の方が他の素材よりも熱が伝わりにくく、触れたときに暖かく感じやすいのです。

無垢材を見てみると、一般的な木材と比べても更に熱伝導率は低いと言われています。
なぜなら、無垢材の細胞は、物質の中で最も熱を伝えにくいと知られている空気で満たされているからです。
つまり、木材の中でも無垢材は肌で触れたときにもっと暖かさを感じやすいと言えます。

□無垢材の住宅のメリットとは？

これまで、無垢材はなぜ暖かいのかについて解説しました。
しかし、無垢材には暖かさの他にもたくさんのメリットがあります。
続いては、無垢材の住宅で暮らすメリットについていくつかご紹介します。

1つ目は、部屋の湿度を適度に保ってくれることです。
湿度が高いと、カビや結露が発生したり、室内でもジメジメして過ごしにくかったりしますよね。
しかし、無垢材には調湿機能があり、室内の湿度を快適に保ってくれるという特徴があります。
湿度が高ければ湿度を吸い込み、乾燥していれば湿度を放出してくれるので、一年を通して快適に過ごせるでしょう。

2つ目は、木の香りや温もりに癒されることです。
木の香りや温もりは、無垢材の住宅だからこそ感じられる最大のメリットです。
木から漂う匂いは「フィトンチッド」と呼ばれ、消臭や抗菌作用の他に、ストレスを減少させてくれるリラックス効果もあると言われています。
仕事で疲れていても、家に帰ると無垢材によって自然とリラックスできるので、毎日忙しく過ごされている方には特におすすめです。

3つ目は、デザインを自由に決めやすいことです。
木材は加工がしやすいため、間取りやデザインも比較的自由に決めやすいと言えます。
土台や基礎などの構造体が法律で定められている基準を満たしていれば、その他は自由に設計できます。
増築やリフォームをお考えの場合も、無垢材の住宅であれば将来的に叶えやすいでしょう。

4つ目は、軽量で扱いやすいことです。
木材は他の素材と比べても、軽量で扱いやすいこともメリットとして挙げられます。
金属類に必要な耐火処理や防サビ加工も必要ないので、その分施工の手間が少なくコストを抑えることにも繋がります。
さらに、軽量な木材ですが、しっかりメンテナンスをすれば長く住み続けられる丈夫な素材でもあるのです。

□まとめ

今回は、無垢材の住宅がなぜ暖かいと言われているのかについてご紹介しました。
無垢材の内部には空気が詰まっているため、熱伝導率が低く、触れると暖かさを感じやすいと言われています。
また、無垢材の住宅は自然の香りに癒されたり、自由に設計しやすかったりするメリットも存在することを押さえておきましょう。