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2019年4月17日(水)

  • コラム

無垢材は色々魅力があるけれども、耐震性は強いの?

無垢材は自然の風合いが感じられることや、断熱性が高いという魅力があります。無垢材には多くの魅力がありますが、木材は鉄筋コンクリートよりも強度が低くて耐震性が低いというイメージを持つ方が多いようです。1995年に発生した阪神淡路大震災では、約21,000棟もの家屋が全半壊しました。全半壊した家屋の大部分が木造住宅で、鉄筋コンクリートの建物は被害が少なかったことが知られています。阪神淡路大震災後に建築基準法が改正されたので、その後に建築された木造住宅は高い耐震性を持っています。

一般的に木材は、鉄骨やコンクリートと比較すると強度が弱いと思われがちです。木は「生き物」なので乾燥が不十分な状態で加工・使用されたり、湿度が高い環境だと劣化して強度不足になってしまう恐れがあります。実は十分に乾燥させた木材は、コンクリートよりも引張強度が強いことが知られています。木材は伐採後にしっかりと乾燥させることで固化が進み、強度が増します。しっかりと内部まで乾燥させた木材で狂いなく建てられた木造住宅は、鉄骨造やコンクリート造よりも耐震性が高くなります。

日本人は古来、寺社やお城などで大きな木造建造物を建ててきました。京都の東寺にある五重塔は高さが54mもあり、日本一の高さを誇る木造建築物です。東寺の五重塔を支えているのは木材ですが、非常に高い耐震性を持っていることが明らかになっています。1830年に発生した直下型の京都大地震の際も、倒壊しませんでした。木造建築物であっても、きちんと耐震設計が施されていれば直下型の大地震に耐えられることが証明されています。

無垢材を使用する際は、加工を行う前にしっかりと内部まで乾燥させておくことが大切です。乾燥が不十分だと変形・収縮することで建物に狂いが生じてしまい、強度が不足する恐れがあるからです。耐震性の高い木造住宅を建てる場合には、棟上げをした後に十分に時間をかけて乾燥させながら建設工事を進めることが大切です。短期間で建築工事をすると木材の乾燥が不十分で、建設後に耐震性が低くなってしまう恐れがあります。最近はコストを抑える目的で短期間で建設工事が行われるケースがありますが、このような場合は事前に十分に乾燥をさせた木材を使用することが大切です。

無垢材の強度を維持するためには、きちんとメンテナンスを行うことも大切です。木材は水分を吸収すると強度が弱くなってしまいますし、シロアリの被害を受ける恐れがあるからです。床下や天井裏の風通しを良くしたり、長期間にわたり家を空ける際は換気装置を設置するなどの対策が必要です。

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